Ep 12: わすれじのレイド・バック/サザンオールスターズ

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KOMOEBI, Incより出版の「ロックバー読本」から、エッセイを取り上げて著者の西川宏樹氏が「解題」します(より深く話を聞いていきます)。

わすれじのレイド・バック/サザンオールスターズ

Wasureji no Laid-back

ロックバー読本(※当コラムはPart.2に収録)
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エッセイ全文

「 82年ベスト・アルバム『バラッド’77~’82』ディスク2の4曲目。
 ロック・バーと相性の悪い国民的バンドである。

 国民的なバンドとなるには幾つか理由があるだろうが、何と言っても、やはり万人うけするように製作しているので音が丸い、ハード・エッジを旨とするロックの世界とは相容れないのだ。サザンの音は、よく言えば、万人に人生のうつろいを感じさせる歳時記的な音であり、悪く言えば、金のためにやっている、産業ロックの音である。

 桑田さんは、その昔から自分が聴いていた音楽と自分が産み出している音の差異についてはどう考えているのだろうか?産業ロック特有のマーケティングの匂いが、彼の楽曲には、あまりしないのが救いとはいえるが、まさか、産業ロックばかり聴いて育ってきたわけがない。
 その昔、ロック・イン・ジャパン・フェスティヴァルに、何故か(風の噂に聞いたところによると、彼の希望だというが・・・)サザンが参加し、当然、最終日のトリとなったことがあり、そこに偶然居合わせた。他のバンド(たとえばサンボ・マスターとかアジアン・カンフー・ジェネレーションとか)と比べれば圧倒的に豪華なステージングで、バック・コーラス、ダンサーズに美しい薄着の女性を侍らすなど、お色気もたっぷり、9割がたの客は大喜びであったが、0.1%ぐらいの若い男子がそうではなかった。

 彼らが登場するやいなや、まるで、ディランの『フリーホイーリン』のアルバム・カバーのように、連れの彼女の肩を抱いて、会場を後にするカップルが何組もいた。

 肩越しに、彼らが突き出した親指は下を向いていた。

 そんな複雑な感情を抱かざるを得ないバンドの作品で俺が長年愛好しているこの曲は、カントリー・フレーバーのサウンド、エロさ爆発の歌詞で、世間的にはあまり人気がないようである。

 0.1%の男子に聴かせたやりたい1曲。」

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